アーセナル×ナポリ
UEFA Europe League Quarter-Final
Arsenal vs Napoli
【アーセナル】
今季からEL3連覇経験のあるウナイ・エメリが指揮を執っており、3-6-1、4-3-3、4-3-1-2など多様な布陣を用いる。
ELのラウンド32、ラウンド16共にアウェイでは黒星を喫している。しかし、ホームでは絶対の強さを誇り現在リーグではホーム10連勝中。
ラカゼット、オバメヤンの強力FWに加え、イウォビ、コラシナツ、ラムジーらの爆発的な攻撃力が持ち味だが、守備に不安を抱えており失点に繋がるミスが多い。
アウェイ戦に滅法弱く、リーグ戦ではアウェイでたったの5勝しかあげれていない。
『ナポリ対策』
基本的にナポリは4-4-2の布陣で挑んでくると思われるが攻撃時は3-5-2もしくは3-6-1のような布陣になり、サイドアタッカーが中に入ってサイドバックがオーバーラップするスペースを空けるので3-4-3のような形になる。
守備時
攻撃時
さらにセカンドトップがボールを受けに落ちてくるのでそれに対してCBがついていくのか、ボランチに付かせるのかをはっきりさせないとただでさえガバガバなアーセナルのバイタルエリアに簡単に侵入されてしまう。
中盤より前は基本的に全員ミドルシュートを持っており、バイタルでの寄せが甘いと精度の高いシュートを打たれてしまうので要注意。
攻撃面ではやはりクリバリではなくマクシモビッチの所を狙っていく必要がある。
クリバリ、マクシモビッチ共に空中戦の強さがあるがスピードに関してはマクシモビッチはクリバリほど速くないため、オバメヤンとラカゼットでマクシモビッチの裏を狙うのが有効かと思われる。
{直近のリーグ戦}
2月始めのシティ戦に負けて以降スパーズ、ユナイテッドらトップ6との試合も含め負けがなかったものの前節のアウェイエヴァートン戦でほぼ何も出来ずに敗戦。
しかし、今季リーグでの連敗は開幕戦のシティ戦、2節のチェルシー戦のみ。
公式戦の括りで見ても、12月のリーグサウサンプトン戦、カラバオカップスパーズ戦の連敗しかなく、負けた試合の次の試合にしっかり修正できていることが分かる。
《予想フォーメーション》
【ナポリ】
今季から就任したカルロ・アンチェロッティが昨季までのサッリボールに手を加えもう一段階上のチームへと成長させつつある。
特にCLではパリ、リヴァプールと同組という死の組の中でこの両チームと互角に闘った。(パリに2分、リヴァプールに1勝1敗)
結果としてはグループ3位に終わったもののこの経験はチームの大きな成長に繋がったはず。
主力の負傷が懸念されるが、アンチェロッティは今季ターンオーバーしつつすべてのコンペティションを戦っており、チーム力がガクッと下がるという訳では無く十分戦えるメンツを揃えている。
『アーセナル対策』
正直な所アーセナルがどの布陣で挑んでくるかは始まってみないとわからないので対策は難しいが、アルビオルを欠く中アーセナルの強力な攻撃陣を抑えるには、リヴァプール戦で機能した攻撃時3-6-1、守備時4-4-2のシステムできちんと対応できれば問題ないだろう。
攻撃時にボールを失ったとしてもアーセナルの攻撃陣に対して2CBではなく3CBで対応することで相手のカウンターを遅らせることが出来る。
ボランチには運動量豊富なアランがおり多少のミスはカバーしてくれるので、最低限のリスクで守りたい。
攻撃ではアーセナルのビルドアップはミスが多いため、全線からプレスをかけてミスを誘発できればショートカウンターでチャンスを作ることは容易だろう。
特にアウェイではアーセナルが攻撃的に来ると予想されるので、相手の細かいミスをカットしてショートカウンターに繋げていく必要がある。
{直近のリーグ戦}
前前節エンポリ相手にまさかの敗戦を喫し、珍しくアンチェロッティがロッカールームで大激怒。
チームに喝を入れ、前節のジェノア戦では素晴らしいゲームの入り方をしたものの、10人のジェノアに追いつかれ1-1のドロー。
公式戦2試合勝ちがないというあまり良くない雰囲気の中、敵地エミレーツ・スタジアムに乗り込む。
《予想フォーメーション》
<注目ポイント>
前述の通りアーセナルはラウンド32、16共にアウェイゲームを落としているがどちらも1stレグであり、相手に先手を取られながらも2ndレグを要塞のエミレーツで闘うことが出来た。
しかし、この対戦では1stレグがホームのエミレーツで行われるためもしもこの試合でナポリの勝利、もしくはアウェイゴールを取るということになればデータ上ナポリが突破する可能性が高くなると言っても過言ではないだろう。
そして両チームにはELを獲らなければならない明確な理由がある。
アーセナルはリーグで現状5位。CL権争いをチェルシー、スパーズ、ユナイテッドと繰り広げているが3位チェルシーから6位ユナイテッドまでの勝点差がたったの5ということで、もしかしたら来季のCL権を逃す可能性がある。
そのため、なんとしてでもELで優勝して来季のCLの切符を獲得したいのだ。
対するナポリは現状セリエA2位。
首位ユヴェントスとの勝点差は20ptsでスクデットの可能性はほぼなく、3位インテルとの勝点差は7で、実質ほぼ2位が確定している状況。
カップ戦も敗退しているので、獲れるタイトルはあとELしか残っていないのだ。
長らくタイトルから遠ざかっているため、久々にカップを掲げるためにクラブ全体のモチベーションが一気に上がっている。
どちらも優勝するだけの力は十分に持っており、拮抗した戦いが予想される。
プレミアリーグのビッグクラブとセリエAのビッグクラブというCLでもおかしくない対戦はどちらに軍配が上がるのか見物である。